タイのSNS広告のトレンド

列で並んでいるときはツイッターをチェック。仕事に疲れて一息するときはFacebookをチェック。タイ人はSNSを常に見ています。Bangkok Postの調査によると、Facebookに4900万人、Instagramに1360万人、Twitterに1200万人のユーザーが登録され、世界中でもっともSNSを使う国のトップ10にランクインしています。さらにThairathの調査によるとタイ人は一日平均3.5時間SNSを見ているそうです。SNSがタイ人の日常生活に不可欠なコミュニケーションツールであると同時に、企業にとってもターゲットにリーチする大事なツールであります。

Source: Thoth Zocial

 

最近、SNSで反応のいい広告キャンペーンは短くてインパクトのあるものが多い。タイ人は飽きっぽいのですぐスクロールして次の投稿を見てしまう。なので、一瞬で目に入り、パンチの利いたキャッチが必要で、ネタとしてタイで話題のスキャンダルやトラブルにまつわるストーリーがよく使われます。言葉遊びや、その事件のワンフレーズを引用し皮肉で面白いパロディはタイ人にウケが良く、話題になることが多い。そしてはこうした広告はその事件が起きた後の数日から数週間ぐらいだけ続きます。

いくつかの例を見てみましょう。2019年2月にタイでとても有名なスキャンダルが爆発的にタイ人の間に広がりました。有名なタイ人歌手が10年間、2人の女性とずっと付き合い、それがスクープされました。そのスキャンダル後のインタビューで彼の発言がタイ人の注目を集めました。彼は「二人とお付き合いできるように、二つの世界(world)を作りました」と。マーケターはこのワンフレーズに食いつきました。テーマパーク(Dream World)の広告は次のキャッチをFacebook広告に上げました。「バイキングに乗る楽しい世界とスリルな世界を実感できます!!2つの世界が欲しい人はぜひ遊びに来て!」

Source: Dream World Facebook Page

2019年の3月にタイで選挙が行われましたので選挙関係の広告が自然と多くなり、広告代理店の人たちは選挙の話題を他の広告に活用するチャンスを逃しませんでした。タイ語で「พรรค」(発音:パク)は「党」という意味で、「休憩」と「泊まろう」の発音と似ています。それで次の夏休のプロモーションに、「夏休み!」のスペルを「党休み!」にして言葉遊びでキャッチコピーを展開。「党休み!」はタイ語的には意味が変ですが、タイ人には元の意味が伝わり、ウケが良かった。(3月はタイの夏です。)

Source: The Balanz Facebook Page

そしてもう一つ最近ネタとなっているのは「計算」です。なぜかというと、これはタイの選挙管理委員会への皮肉です。前回の選挙でタイの選挙管理委員会が選挙の結果の統計を途中でいきなり中断させました。その理由は電卓が足りなかったからと・・・。 下記の広告は「D-NA(豆乳)を飲めば、電卓なくても計算はできる!」というキャッチを使い、話題になりました。

Source: D-NA Soy Milk Facebook Page

なぜこうした広告が人気なのでしょう?理由はいくつか考えられますが、まず、既に話題になりほとんどのタイ人が知っている事象をネタにすると、その広告も話題になりやすいからです。そしてSNSをよく見るタイ人はハッシュタグも良く追うので、話題のスキャンダルのキーワードを使えば関連のハッシュタグがつけられ、拡散しやすくなります。

また、タイ人のユーモアのセンスに皮肉なものがよくウケ、皮肉な表現は面白くてクリエイティブだととらえられます。最後に、タイ語では似ている発音の言葉が多いのでタイ人は言葉遊びもよく楽しみます。こうした広告はローカルな印象もして、その時の話題の事象を使えばタイ人に広がりやすいのでSNSで広告を出すときはおススメの方法です!

 

 

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Lili

いい本、映画、おいしい食べ物と音楽は人生に不可欠!

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