タイにおける「レジ袋」減少の取り組み

10年前、ビニール袋は分解することができず、便利だけど、最終的に深刻な環境問題になることを、タイの人々は既に認識していました。したがって、多くの企業は、地球温暖化を防止するために無料のエコバッグを配布するキャンペーンを行いました。「無料のエコバッグ」プロモーションは数多くありましたが、結局、タイの人々の大きな行動変革には及びませんでした。例えば、スーパーに行ったとき、ビニール袋を受け取って、エコバッグにビニール袋と一緒に買った物を入れました。短期的にエコバッグを使う人もいましたが、それでも実際は買いものの時にビニール袋を貰っていました。

これらのキャンペーンがうまくいかなかった理由の一つは不便だったからです。タイの消費者が無料のエコバッグを貰ったとしても、買い物の際には一緒に持って行かないこともありました。それに、もう一つの理由は、地球温暖化がタイの人々にとって新しい概念で、この問題がどれほど深刻であるか理解できませんでした。したがって、人々の習慣を短期間のうちに変えることは困難で、特に行動を変えるほどの動機に繋がりませんでした。

この状況は昨年まであまり変わりませんでしたが、ついに政府は、プラスチック廃棄物問題がもっと深刻になる問題と認識し、解決のための最善の努力を開始しました。そして、一般企業も地球温暖化防止のために協力が求められました。具体的に、TOPSスーパーマーケット、Centralデパート、TheMallデパートなどの近代的な小売店は、買い物の時にビニール袋を使用しない顧客にポイントを与え、またビニール袋の代わりに使用済みの段ボールも提供しました。 (消費者が割引のメリットを受けられるのと同時に、企業にとって、このキャンペーンはCSR活動としてビジネスを推進することができるので、いずれにせよ両者にとって利がある状況。)そして2018年12月4日から、タイのすべての近代的な小売店は、毎月4日からは顧客にビニール袋を供給していません。

これらの動向について興味深い観察がたくさんあります。まず、タイの人々は問題解決のために積極的に行動します。それに、無料のエコバッグのプロモーションがなくても、人々は自宅から自分のエコバッグを持って来るか、売り手が提供する使用済みの段ボールを喜んで使っています。タイの人々の行動の変化は主に便利さ(消費者が簡単に段ボールをとって、買い物と一緒カゴに入れて自分の車に入れることができる)と買い物から与えられるポイントシステムとインセンティブなのだと理解できます。そして最後に、他の国とは違って、人々がより少ないビニール袋を使うようにするために、罰(ビニール袋税)の代わりに褒賞(会員カードにポイントを与える)を使ったことです。

今こそ、このトレンドにふさわしい時期だと思われます。タイの人々は環境問題についてより理解するようになり、廃棄物、特に分解することができないプラスチック廃棄物からの悪影響を認識するようになりました。
人々は自分たちの行動を積極的に変えようとしています。そして、会員カードにポイントを与えることも大きな契機になっています。そして、タイの人々は無料のものが大好きです。インターネットでは、「ビニール袋なし=ポイントカードの追加ポイント」というキャンペーンを促進し、どの小売店がどういったインセンティブを与えるかを比較する写真が掲載されています。

今年、政府はショッピングモールやデパートなどの近代的な小売店にとどまらず、ローカルのマーケットでもビニール袋の使用を減らすことを望んでいます。まだ解決できない問題は、ビニール袋の代わりとなる、便利で環境にやさしい代替品を見つけていないということです。したがって、これは新製品開発の大きな機会にもなります。

 

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Lili

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