急速に人気上昇しているメッセージアプリTelegram

シンガポール市場に早い段階から参入したメッセージングアプリWhatsAppは今でも最も広く使用されているメッセージングアプリです。しかし、Telegram(テレグラム)というアプリは近年世界中で人気を集めており、世界中に2億人を超えるアクティブユーザーを擁し、シンガポールの若いユーザーの間でも急速に人気が高まっています。

Telegram MAU growth, 2014 - 2018

テレグラムの月間アクティブユーザー(出典:Statista)

シンガポールでは18〜35歳の若いユーザーの中でWhatsAppよりも頻繁に使われているといわれていますが、彼らを引き付けているのは何でしょうか。最初はシークレットチャット機能でシンガポールのユーザーの関心を得ました。シークレットチャットの履歴はクラウドのサーバーではなくデバイスに保存され、サーバーに痕跡を残さず、自己破壊メッセージにも対応し、転送も不可能です。 (プライバシーが高いおかげで、テレグラムは、韓国でカカオトークを巡る監視の恐れが高まった2013年、および2019年に香港が中国政府に抗議していたときにユーザーが急増しました。)

シークレットチャット(出典:テレグラム)

テレグラムはオープンAPIも使用しており、開発者が独自のテレグラムアプリを作成することを推奨しています。 サムスンはこれを利用して、2015年にSocializer Messengerをリリースしました。ユーザー作成のチャットボットやゲームもテレグラムの人気を高めた機能の1つです。

シンガポールで人気のボットの例を挙げると、電車の遅延・故障状況を知らせるSG MRT、宝くじの情報を知らせてくれるTOTOHuatahbot、そして個人のお気に入りでバスの到着タイミング、経路、席の空き具合、そしておやじギャグを言ってくれるSG Bus Uncleです。

シンガポールの人気チャットボット

便利な機能でユーザーをたくさん集めているテレグラムですがユーザーのプライバシーを重視し、広告を販売していなく2017年までは創業者Pavel Durov氏の寄付金で運営されていました。GRAM(グラム)という独自の仮想通貨の開発をしていて、2018年にICO(Initial Coin Offering、トークンによる資金調達)で目標金額の2倍の17億ドル(約1800億円)を調達し、現在も開発を続けています。

広告は販売していないにも関わらず企業側は他の手段で賢くテレグラムをプロモーションツールとして利用しています。テレグラムのチャンネルとグループチャットを通じてターゲット層にアプローチしています。

チャンネルとは、大勢の購読者にメッセージをブロードキャストするためのツールであり、無制限の数の購読者を持つことができます。各メッセージの右下に転送を含むリーチしたユーザーの数が表示されるため、どの投稿のパフォーマンスが良かったかが確認できます。投票などのインタラクティブな機能も、企業がユーザーについてよりよく把握しながら、購読者を引き付けることができます。

キャンペーン情報やニュースを知らせるチャンネル

ユーザーとしては、最新情報を入手したいチャンネルに登録します。シンガポール政府の公式チャンネルGov.sg(276,900以上の購読者)、飲食関連プロモーション情報を知らせるSG Kiasu Foodies(144,500以上の購読者)、ニュースメディアMothership.sg(57,500以上の購読者)、旅行関連情報を提供するSG Travel(チャンネル登録者数46,900人以上)、が人気チャンネルとしてあげられ、リー・シェンロン首相(購読者数15,900人以上)の公式チャンネルも注目されています。

特徴の1つは、政府関係のチャンネル以外、現在人気のチャンネルのメディア会社によって運営されていることです。ブルームバーグやネットフリックスなどのブランドはすでに公式チャンネルを開設しており、多くの加入者を集めていますが、ブランドによって運用されているチャンネルはまだ少ないです。工夫をすればブランドがテレグラムを通じてユーザーとコミュニケーションをとる方法は無数にあります。

お得な情報やオンラインショッピングが大好きなシンガポールの若者は常に新製品やサービス、プロモーション情報に耳を傾いているため、購買欲の高い若い世代とつながりたい企業は、メディアとのコラボレーションや自社ブランドのチャンネルの開設など、ぜひテレグラムをキャンペーンの一部として利用することを検討してほしいです。

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Shion

Shion

シンガポール人。カラオケとお菓子作りが趣味。ダイエットは明日からを毎日実行中。

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