こんにちは、マレーシア・クアラルンプールのジュンです。大学で情報コミュニケーションを専攻していて卒業したばかりですが、今日は私の国で飲食業の大きいなテーマ、ハラール、について紹介します!
近年、マレーシア人々は海外の料理に対して、興味・関心が強い。日本を含め、海外からのレストランなどの飲食店が数多く出店し、マレーシアの食文化も国際化してきている。しかし、嗜好が国際化しているにも関わらず、イスラム文化のベースにある「ハラール」はいまだに外食するときに厳しく守られている。この規準をもとに食生活を送っているマレーシア人の人口は半分以上を占め61.3%いるため、規準に満たさない料理を出す飲食店は最初から不利になってしまう。
まず、「ハラール」とは、イスラムでは「許可を得たもの」または「法律に従ったもの」という意味を持つ。食べ物に当てはめると、コーランで定められたルール・条件に満たした食品でイスラム教徒が食べていいもの、を意味する。かなりルールは厳しいが、「ポークフリー」という概念で勘違いしている人も多い。その結果、マレーシアでは豚肉不使用のお店を数多くみられる、苦戦しているお店も多い。そのため、マレーシアに飲食店を出店する際に、下記のこと点に注意すべきだ。
1.豚肉不使用でもハラールでない(それでイスラム教徒の飲食が禁止される)場合もある。「なぜ?」と思うかもしれないが、肉類がハラールとみなされるためイスラム法に従って用意されないといけない。お肉の処理過程からイスラム法に従わないといけなく、そうでないと非ハラールと扱われる。
2.アルコールは料理に使用してはいけない。豚肉不使用な日本料理屋はマレーシアに多いが、みりんを料理に加えてれば非ハラールになってしまう場合もある。アルコールは過熱すると飛ばされるが、イスラム法では全体の量でアルコール0.5%以上であればアウト。そのため、せっかく豚肉不使用でメニューを考えたのにハラール規準を満たさない日本料理屋が多い。
3.そして意外なところかもしれないが、プリンやゼリーが非ハラールの場合もある。なぜかというと、豚からできたゼラチンを凝固剤として使っているから。お料理のメインからデザートまで、ちょっとした不注意で非ハラールになってしまう可能性があるからすべてに注意を払う必要がある。
4.ハラールは食品衛生・保存にも関わる。イスラム法は、食品の準備過程に食品汚染も、保存についても厳しい。不意にハラール食品を非ハラールな食品と一緒に保存してしまうと、同じく非ハラールになってしまうから気を付けなければならない。
以上の例でハラール規準がきびしく思われるかもしれないが、実はマレーシアのポータルサイト(Halal Malaysia Official Portal http://www.halal.gov.my)で情報がすべて手に入ります。
2016年にマレーシアの回転ずしのチェーンSushi Kingはハラール資格を取得したことで大きく話題となりなった。1995年に第1店舗をオープンしたが、現在マレーシア国内で100店舗以上展開し、マックドナルドとケンタッキー・フライド・チキンと肩を並ぶファストフードチェーンとなり、ハラール資格の取得した後インドネシア市場にも参入。
マレーシアの飲食は2017年にUS$16 billion(1兆8千億円)と推定されるが、ハラール規準をクリアしないとパイがかなり小さくなってしまう。最初は簡単でないが、クリアすれば、日本食が大好きなマレーシア人の多くのお客さんを顧客にすることができるだろう。
June
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