ベトナムの屋外広告

屋外広告は、ある意味で最も重要で急速に成長しているベトナムの広告手段の1つになってきました。人々はテレビ、特にインターネット、SNSなどは広告を見ないように設定することができるが、屋外広告はそういうわけにはいきません。TNS Vietnamという市場調査会社によると、ホーチミン市の人口の80%は毎日市内を移動しています。よって屋外広告への接触が多く、ブランドの認知度の向上という点では屋外広告はベトナムで特に効果的と言えます。

近年、ベトナムのマーケティング会社は伝統的な看板だけでなく、エレベーター、ショッピングモール、タクシーやバスなど、多様な媒体を屋外広告として採用し始めています。ベトナムの屋外広告は、主に3つのカテゴリーを分けられます。これらについては、以下紹介します。

1 /パネル・看板広告

看板広告は最も伝統的な屋外広告であり、最も効果的な広告手段としても考えられています。通勤者の数が多いが通勤時の信号待ち、そしてベトナムでは渋滞で待っている時間が長く、たいていの人は道路沿いの大きい看板に目が行きます。

ベトナムでのパネル・看板広告

パネル・看板広告

ただし、パネルや看板広告の土地・建物はベトナム政府に管理されることが多く需要に対しての供給が少ないです。そのため、パネルや看板は屋外広告媒体の中でも最も高額です。看板広告の平均価格は場所や交通量によって異なりますが、だいたい年間約25,000ドル~200,000ドルと予測されています。

例えば、空港へ向かう途中の看板広告の値段は高く設定されています。その理由は、そこを通る人は中間層から高所得層に属していることが多く、そこの広告はその消費者を効率的にターゲットすることができるためです。

空港へ向かう途中の看板広告

空港へ向かう途中の看板広告

一番高いのはやはりロータリーの近くの看板です。ロータリーでは交通量が最も高く、複数の方向から看板が見えるからです。信号の近くのパネルや看板も同様です。

ロータリーの近くの看板

ロータリーの近くの看板

2/ 交通広告

ベトナムは一日の交通量が非常に多いです。ホーチミン市には少なくとも150のバス路線に2000台以上のバスが走り、10,000台以上のタクシーと20,000台以上のGrab車(ライドシェアサービス)があります。街中を移動するベトナム人も多く、タクシーやバスのラッピング広告は通勤者の目に入りやすく、広告するブランドの認知向上にもつながりやすいです。

ベトナムの交通広告

自動車広告の場合、月額で1台50 ドル~90 ドルで広告を出すことができます。 ShareCarForAdsによると、ベトナムの交通広告の有効性は次のように計算することができます。

タクシー1日平均70キロを走る。

1キロに1台当たりのビュー数は平均75回。

1キャンペーンにつき、200台の車を使用しキャンペーン期間を3か月(90日)と仮に設定してみます。

キャンペーン予測ビュー数:70キロx75回x200台x90日 = 9450万回キャンペーン費用:200台×50ドル~90ドル×3か月=30,000ドル~54,000ドル

出典:https://www.brandsvietnam.com/congdong/topic/10329-Quang-cao-ngoai-troi-chuyen-minh-va-Bung-no-hinh-thuc-Quang-cao-tren-xe

3/ロードサイン:バス停や駅、ショッピングモールなど

交通量は道路ほど多くありませんが、バス停やショッピングモールで待っている間はスマートフォンを使用する人が多いです。この特徴に基づき、屋外広告の効果を上げるためにオンラインとオフラインを融合したマーケティングプランの必要性が訴えられます。

ベトナムのバス停

バス停の広告

 最近ベトナムの屋外広告にはデジタルLED/LCDサイネージが増えていています。特に現在鉄道を作っていますが、それが完成したら今度はLED/LCDによるデジタルサイネージも一気に増えて、今までのパネルや看板よりインタラクティブな媒体ができてOOH全体に変化をもたらすのでしょう。

ベトナムのデジタルLED/LCDサイネージ

デジタルサイネージのロードサイン広告

ロードサイン広告の価格は地域によって異なります。ホーチミン市内のバス停広告の場合は一年間約12,000  –  15,000 ドル かかります(Busmedia, 2018)。

出典:https://www.brandsvietnam.com/congdong/topic/12485-Tat-tan-tat-ve-quang-cao-nha-cho-xe-buyt

今回はベトナムの屋外広告を簡単に紹介しました。ベトナムの屋外広告はまだ技術面でも、クリエイティブコンテンツの面でも急速に成長しているので、このタイミングで出稿を検討してみてはいかがでしょうか?

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