シンガポールのメディア概要(新聞・雑誌編)

シンガポールの雑誌概況

個人的には、シンガポールを攻略するうえでもっと活用すべきと思うのが実は新聞です。主要な新聞は下記の通りとなります。全ての新聞はSPH(Singapore Press Holdings)が発行しており、広告の取り扱いにはライセンスが必要となります。

出典:「Singapore Press Holdings Annual Report 2017」を加工して作成

※デジタル版の計算→新聞のデジタル版の登録者数

※赤字:発行部数・登録者数の減少

※緑字:発行部数・登録者数の増加

新聞の紙版の発行部数は、全体的に落ちましたが、Berita Harian以外、全てのタイトルのデジタル版の登録者数が増えました。

特に中国語の新聞の増加が顕著で、これはおそらく年配の方々のスマートフォンやモバイルインターネットの利用率増加を起因としている。

メディア信用度調査で圧倒的な1位で、日本の新聞と同様に日替わりで様々な特集がある。

訪日観光視点で言えば、The Straits Timesの日曜版、Sunday Timesの観光特集や火曜日のLIFESTYLEセクションの中にもBon Voyageという観光特集があり、そこで紹介されると旅行代理店への問い合わせが増えると言われています。

新聞は、特に、富裕層を含む、40代以降にはリーチしやすいメディア で読者の平均月収は7,365SGDで全国平均の5,637SGDを大きく上回る。ただし、広告料金が高いのはネック。

※通貨はSGD

※全ての料金はフルカラー印刷の料金に基づく

※追加アドオン(特定ポジションなど)を含まれていない

ネットの登場によって情報の無償化が進み、2000年にメディア会社Mediacorpは出版社Singapore Press Holdingsの「Streats」という無料新聞と競うため、TODAYという無料新聞をローンチしました。

2004年から2017年にかけて、TODAYはシンガポールで2番目読まれている英語新聞に成長し、発行部数は30万部、読者数は50万~60万にも拡大しました。

しかし、無料新聞ということで広告だけでコストを賄うビジネスモデル、また読者のニーズ変化、デジタル化の流れもあり、2017年8月25日に、TODAYは紙版の発行を止め、完全にデジタル化に移行する判断を下しました。この流れは、今後のシンガポールの新聞を考えるうえで象徴的な流れであったように感じます、

出典: https://www.channelnewsasia.com/news/business/today-newspaper-to-cease-print-edition-go-fully-digital-9157872

シンガポールの雑誌概況

上述のSPHなど大手、準大手出版社の発行する雑誌は数多く存在する。カテゴリーごとに有力紙は異なるが、日系企業は日系のフリーペーパーなどへの出稿が多いが、ローカルの有料雑誌はカテゴリーも明確で活用の甲斐がある。「日本が好きな人」という大雑把なカテゴリーではなく、「美容」「ファッション」「健康」「旅」「食」などより細分化されたテーマと、PR対象を合致させることでより大きな成果が見込める。

下記、いくつかカテゴリーごとに雑誌を抜粋し、参考価格を提示します。※2016/2017のデータ

※通貨はSGD

※全ての料金はフルカラー印刷の料金に基づく

※追加アドオン(特定ポジションなど)を含まれていない

価格は交渉次第でディスカウントが得られたり、もしくはデジタル版をパッケージしたり、SNSへのサポートが付加されたり、取材・記事制作が含まれたりと多様なため、クライアントのニーズごとに調整をしています。

また、彼らの編集能力を活用して、商品開発に関わらせる方法もありえます。コラボレーションした旅行パッケージを醸成して、誌面でPRするという切り口は面白いのではないでしょうか。

ちょっと補足、雑誌のオンライン版ってどうなっている?

ほとんどの雑誌にはオンライン版があり、読者数は誌面のおよそ2~3倍。また、オンライン版のアクセスが多いため、広告費は誌面よりデジタル版が高くなることが一般的です。

例えば、シンガポールの最も人気の高い女性誌「Her World」の発行部数は10万部ですが、オンラインのリーチ数*は78万で、SNSのフォロワーは16.8万人です。

*ウェブサイトのユニークユーザー、タブレット版、EDMの合計

今や雑誌は、雑誌自体の発行部数ではなく、コンテンツとしての記事の制作能力、ブランド力、オンラインでの影響力などの複合的なバリューで勝負しているということになります。

(左)Her Worldのウェブサイト、(右)Her Worldのインスタグラム頁

<Her Worldの紙版とオンラインの広告費の比較例>

‐誌面‐

・1頁の純広告: SGD 4,800~

‐オンライン版‐

・トップページ広告枠、4枠:SGD 7,500~

・記事広告+掲載:SGD 6,500~/週

・フェイスブック投稿、3回:SGD 5,500

シンガポールのフリーペーパー概況

シンガポールには多くのフリーペーパーが存在します。雑誌とは異なるアプローチで力を

持つメディアもあります。日本関連のもの多いが、在シンガポール日本人を対象としたメディアも多い。下記はローカルを対象とした有力なフリーペーパー。

※2016/2017のデータ

訪日観光メディアとして有名なのはWAttention。シンガポール発で現在は世界各国で日本の魅力を発信する現地語対応の日系フリーペーパー。アジア各国に同時展開する場合に有効性の高いメディアです。

ローカル向けでセグメントや内容がしっかりしているものもあります。訪日観光という視点で我々がお勧めしたいメディアをいくつかご紹介します。

① 旅行者向け/aspire

シンガポールの大手旅行会社、ダイナスティ・トラベル・インターナショナルが2017年に旅行専用雑誌「aspire」を創刊しました。 本誌は、観光情報を中心に、新しいホテル、新しい旅行先、市場のトレンド、旅行に役に立つポイントなどのコンテンツを提供しています。

発行回数は年2回 発行部数は各20,000部でデジタル版の配信も行っています。このフリーペーパーの強みは、その配布先。

自社の顧客(51,000人)だけではなく、HSBC(The Hongkong and Shanghai Banking Corporation)のプレミアムカード所有者に配布されており、ダイナスティ・トラベルの強みでもある高価格帯の旅行手配をするターゲットにリーチすることが可能です。

また、シンガポールの2/3月と8月の旅行博NATASでも配布され、旅行プランニングのシーズンに照準を当てて、サービスや商品をプロモーションできるというタイミング的な意味でもメリットがあります。

更に、通常の広告とは異なり、ダイナスティ・トラベルの店舗と連携するような企画も調整・提案が可能となります。

 富裕層向け – Priority

インバウンド担当者が、「シンガポールでプロモーションする意味」を問われた場合、「富裕層」「純富裕層」へのアプローチと答える方も多いと思います。どのようにそういったターゲットにリーチするかというのは最も重要なテーマの一つです。

その一つの答えとして、シンガポール航空プレミアムクラブ「PPS Club」はシンガポール航空のビジネス、ファースト、スイートクラスをよく利用するお客様専用の会員制度です。

当然、メンバーは経済的にゆとりがあり、かつ海外に行く頻度の高い顧客層を網羅しています。配布方法は会員への郵送、チャンギ空港のVIPラウンジ、機内(ビジネス、ファースト、スィート限定)での配布。

発行回数年4回で、読者数は機内で読む方を含めて合計で毎号915,000人へのリーチ。広告価格は少し強気で、1頁純広告SGD 10,000からとなっています。富裕層へ継続的にアピールするという意味では有効なコラボレターかもしれません。

また、会員の中に対してのアンケートや、トライアルツアーの実施などは要交渉ですが、重要なデータが取れるかもしれません。

③ 旅行検討客– The Straits Times

最近は2~3月、8月の年2回の旅行博の前後で、プロモーションをしたいというご要望をインバウンド系のお客様から相談されることがあります。様々な方法がありますが、旅行博に参加するターゲットはF.I.T客ではなく、旅行代理店で購入するお客さんがメインです。

既に旅行商品が造成されており、現地旅行代理店と共同で広告を投下する場合にはThe Straits Timesの旅行企画への広告出稿は効果的と言えそうです。

デジタル版を含められると、1,200,000人にリーチが可能で、特に、30代~50代をターゲットにした商品であればマッチする。

広告料金は、1ページカラーで30,000SGD(約250万)だが、1/2、1/4のサイズでも十分な訴求力があります。

次回は、OOHとネットメディアの概要、いくつかおすすめのメディアもご紹介します。POINTSでは、シンガポールだけではなく東南アジアの国々と日本をつなぐマーケティングサービスを提供しています。現地を知るからこそのプロモーション、メディアの活用、イベント運営など幅広いソリューションを提供しておりますのでお気軽にお問合せください。

The following two tabs change content below.
Yamato

Yamato

シンガポール在住歴約7年、娘を持つ一児の父親。日本人から見る東南アジアのビジネス情報を発信していきます。

Related post

  1. シンガポールの終わらないBubble Teaブーム(16年目)

  2. シンガポールのメディア概要(TV編)

  3. シンガポールのメディア概要(ラジオ編)

PAGE TOP