ベトナムのコーヒー(2)

ベトナム人にとって、一日の終わりのコーヒーはなによりの幸せです。ベトナムの土壌で栽培されているコーヒー豆の豊かな風味はベトナム人にとって、他のどんなコーヒーより圧倒的に美味しいと思われています。

ベトナムで最も人気があるコーヒー豆はロブスタとアラビカです。これら2種を区別するものは“味”、“カフェインのレベル”、そして“価格”です。ロブスタ豆は、高いカフェインのレベルを持っているため、アラビカよりも苦いですが、商品価格はアラビカ豆の約半分です。

ベトナムでは伝統的に、挽きたての焙煎コーヒーは “カフェ・フィン”というベトナム人に発明されたドリッパーで抽出されます。“カフェ・フィン” はコーヒーカップに乗せるためのソーサー、その上に置いて粉とお湯を入れるためのカップ、粉の上に入れるフィルター、抽出時にかぶせておくフタで構成されています。フィルター、カップの底、ソーサーにそれぞれ細かな穴が開いており、これらの穴から滲むようにお湯やコーヒー液が染み出します。こういうデザインからこそ、少量のコーヒーしかを作れないのに、1時間もかかります。

有名なベトナムコーヒーといえば、 “ウィーゼルコーヒー”を思い浮かべる人も多いかもしれません。“ウィーゼルコーヒー”は、1キログラムあたり約500〜700USDもして、世界で最も高価なコーヒーの1つです。信じられないかもしれませんが、“ウィーゼルコーヒー”とはイタチにコーヒー豆を食べさせて、うんちと一緒に排泄された豆を使っています。地元の人々は、イタチが優れたコーヒー豆しか選ばないと信じています。だからこそ、イタチからの排泄されたコーヒー豆は最高の品質だと疑わないのです。

(ハノイにある“ウィーゼルコーヒー”ショップ)

ベトナムのいわゆる“ミルクコーヒー”は一般的な外国人観光客の想像するものとは異なります。牛乳を使っていますが、普通のミルクではなくて、非常に甘いコンデンスミルクを使用します。ブラックコーヒーとコンデンスミルクをかき混ぜると、液体が大変濃くなりますので、カフェインの過剰摂取をしないようにバランスをとるためにアイスを追加することをお勧めします。

もう一つのベトナムならではのコーヒー、ハノイのGiảngCaféによって開発された「エッグコーヒー」と呼ばれるものです。まず、砂糖と新鮮な卵黄をホイップし、コンデンスミルクと一緒に煮ます。それを、抽出したコーヒーに注ぎ、ふわふわの泡の層を作ります。香り高いコーヒーは卵のクリームの甘い香りと相まって、絶妙なコンビネーションとなります。

「エッグコーヒー」

ベトナム人は国内のコーヒーに誇りを持っていますが、外国のコーヒーブランドもベトナム市場では人気があります。例えば、アメリカのコーヒーチェーン大手のStarbucksは、ベトナムコーヒーのライバルです。その他、よく知られたカフェはアメリカのブランドのCoffee Bean and Tea Leaf, McCafé (by McDonald’)、そして韓国の2つのコーヒーチェーン – Caffe Bene and Hollys Coffeeです。

 

近年、ベトナムの人々はコーヒーに特に興味を持っています。伝統的なアイスブラックコーヒーの他に、海外のコーヒーブランドからベトナムに紹介された豊富なコーヒーの創作がありました。やや保守的であるにもかかわらず、ベトナムの人々は外国のコーヒー飲料を歓迎しているようです。ホワイトカラーの労働者は、カプチーノ、ラテ、マキアートなどのイタリアの象徴的なコーヒー飲料の人気も高まっていますし、甘いものが好きな女性や学生は、スターバックスでFrappuccinoのように、クリーミーなブレンド飲料にも大人気があります。

海外のコーヒーチェーンは非常好立地で高価な賃貸料、そして原料も輸入なので、価格はどうしても高くなります。たとえば、スターバックスのカプチーノは80,000VND(3.45ドル)ですが、ハイランドコーヒー(ベトナムで人気のローカルブランド)では54,000VND(2.3ドル)です。一般的に、イタリアのコーヒーの価格は、ベトナムのコーヒーの2倍程度高いです。イタリアのコーヒーの価格であれば、ベトナムでお茶碗2杯分のライス、3食分のおいしいサンドイッチか、または最長3日分くらいのバイクのガソリンを購入できます。

調査結果によると、72%のベトナムの新卒者が月額251―500USDの給与水準です。スターバックスのAmericano(2.8USD)を飲んだら、ベトナムの新卒者はただコーヒーのために彼らの1日の給料のおよそ5分の1を使わなければならないでしょう。

それにもかかわらず、ベトナムの高級カフェは毎日大変混雑しています。これらのお金持ちの客さんは誰なのでしょうか?彼らは主に、イタリアンコーヒーに慣れてきた外国人だし、ビジネスマンは自分のパソコンで作業したり、クライアントと会ったりする人だし、またコーヒーとselfiesのために友人と集まる若者たちです。

いまの段階では、コーヒーの需要は安定しているようです。しかし、安いベトナムコーヒーに含まれる不純物のスキャンダルなどで、高品質のコーヒーの需要が高まったときに海外のコーヒーがベトナム市場で更なるシェア獲得をする機会は十分にあるでしょう。

コーヒーがベトナムのものであれ、外国のものであれ、どんな環境でも生き残るための重要な要素は、飲料の品質基準を維持し、効果的なマーケティング戦略を策定することです。外国のブランドがこれらの目的を達成できるだけでなく、ベトナムの人々が興味を頂く新しい商品を開発すれば、間違いなくローカルブランドとは差別化し生き残ることができます。さらに、コーヒーを愛するベトナムの人々の手に届きやすい価格で提供する企業努力もとても重要だと思います。

 

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運命のいたずらでフリーランスライターに。よく旅行し、アマチュアの旅行写真家としても活動中。
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